Kedi Channel

独身女、ニューヨーク。これからの人生を考える。

ラマダン(イスラム教の断食月)を無宗教の私がニューヨークで5年前からやってる話。

今は2021年8月、今年のラマダンはとっくに終わっているので、季節外れの話。

ラマダンとは?

ラマダンについては日本でも最近はほとんどの人が聞いたことがあると思う。グーグルすると情報もたくさんでてくる。断食を思い浮かべる人が多いが、実は食べ物だけじゃなく、飲み物もダメ。日の出から日の入りとか言われるけど、厳密にはもっと長い。シーア派かスンニ派によっても違ったりする。ニューヨークだと、まあ月にもよるけど大体午前4時くらいから午後7時半くらいで、毎日ずれていく。

きっかけ

5年前何故か、南アジアや中近東、西アフリカ出身のイスラム教徒の生徒達が、以前より多く私のクラスを受講していた。彼らは私の教室でたむろすることが多く、じゃあ、私が顧問ということでMuslim Clubを始めようということになった。時期としては、全くどう仕様もないあのトランプが言い出した、Muslim ban (イスラム大多数の国々からのアメリカへの入国を禁止) 初期の頃だ。9・11から始まった、イスラム教徒(またはイスラム教徒風に見える人々) への差別も続いていた。

 

生徒達との交流を通じて私の中でのイスラムへの関心も高まってくる。じゃあ、ラマダンもやってみようとなるのは、まあ、当然の流れ。

 

私の学校でイスラム教徒の教師は皆無。生徒達にとっても、祖国の様に一緒にラマダンを経験している教師が移民先のアメリカの学校に一人でもいたら嬉しいのではないかと思ったのも理由の一つ。

1年目

イスラム教徒どころか何の信仰もない私の無謀な決断に、生徒達も生徒の家族も大喜び。いろいろアドバイスをしてくれる。自分たちの行っているモスクに連れて行ってくれたり、その日の断食を終えたときにとる食事 iftar にも招待してくれたりする。

 

私は私でお祈りとかをしない代わりに、イスラムの歴史や教えに関する本を読んだり、いつもより長い日記を書いたりする。

沢山読んだ中でオススメはこちら。読みやすいし、一読あり。

 日本語だとカレン・アームストロングの著書が翻訳されている。

5年後

 何やかんやで、5年がたった。

生徒の出身地も変わった。南東ヨーロッパ(アルバニアやボスニア)や中央アジア(ウズベキスタン やキルギス)などが加わった。

同僚も私のラマダンには興味を示し、何かと質問をしてくる。断食はしなくても、ラマダンの1ヶ月の間、何かスピリチュアルなことをする、何か目標を立ててやってみる、なんて人も出てきた。

 

アッラーの支えがなくても、断食はできたし、所詮1年の内のたった1ヶ月。

18億人以上といわれる世界中のイスラム教徒と、時間と経験を共有するのを、イスラム信者ではない私は密かに楽しみにしている。

 

どうです、1ヶ月は無理なら、1日、1週間でもトライしてみたら?

話のタネになるかもしれない、少なくとも。