Kedi Channel

独身女、ニューヨーク。これからの人生を考える。

イギリス 歴史ドラマ(Part 3: 知名度かなり低し編): 『I, Claudius この私、クラウディウス』『Fall of Eagles』

イギリス 歴史ドラマブログ最終篇は超マイナーな2作について。

私と元旦那は大ファンなのだが、私の周りの反応は ”そんなもん聞いたことない”だし(いや、一人だけ、昔イギリスに住んでいたことのある、物凄く物知りの同僚が知ってた。)日本語で検索しても出てこない。

まあ、始めてしまったイギリス 歴史ドラマシリーズだし、きっと誰かが読んでくれることを願って書いてみる。

 

超メジャーで高品質のオススメドラマについては第一部で。


塩昆布みたいに人気はそれほどないけど味わい深いドラマについては第二部でどうぞ。


I, Claudius (この私、クラウディウス)

 

1976年BBC製作、全12話からなる大作。2007年にTime Magazineの "100 Best TV Shows of All-TIME"の一本に選ばれている。

(YouTubeでも視聴可能だが、脚本がとても素晴らしいので、英語のきちんとしたキャプションがあった方が良いかも知れない。その場合、アメリカならアマゾンプライムで。)

 

クラウディウスの視点から、初期ローマ帝国の歴史を、紀元前24年から西暦54年にわたって描いている。

ロケ撮りが皆無で、全て屋内のセットで撮影されたドラマなので、どちらかと言えば、舞台劇をテレビで観るような感覚だ。

 

<超個人的な見どころ>

  • 裏工作フェストならぬ、ドロドロとした家族間での裏切りや陰謀が結構面白い。古代ローマに関する映画やドラマは、その偉大さを強調したものが多いので、このドラマはとても新鮮。
  • 先ほど述べたが、舞台劇風のプレゼンになれるのに少し時間がかかるが、諦めずに3エピソードほど観ると、病みつきになる。
  • John Hurtが演じる狂人皇帝カリグラが異常すぎて最高。笑えてしまう。

 

 

少しずれるが、古代ローマといえばやはり塩野七生氏。

『ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち』の中に、このドラマに出てくるネロ、カリグラ、ティベリウス、クラウディウスが描かれている。ぜひぜひ読んでみて欲しい。

 

更にずれるが(申し訳ない)、塩野氏のローマ本を紹介しているついでに、彼女の本で私が好きな2作も紹介。

 

英語で話していても、時々マキアヴェッリの名前を引用することがある。

大学時代のゼミで軽く読んで以来、2−3度再訪している本。

なるほどねと思う縁多々。

 

以前にも述べたが、私はトルコに興味があるので、もちろんこの本も読んだ。

キリスト教世界とイスラム世界の激しい覇権闘争が描かれている。

 

Fall of Eagles

1974年BBC製作、全13話からなる大作。 (YouTubeで視聴可能。残念ながら英語のキャプションの質は良くない。)

 

時は1848年から1918年。当時のヨーロッパで君臨していた三大帝国 - オーストリア・ハンガリー(ハプスブルク家)ドイツ(ホーエンツォレルン家)ロシア(ロマノフ家) - を描いたドラマ。

 

『この私、クラウディウス』ほどの完成作品ではないものの、この時代を、しかもこの三帝国を題材にしたドラマは存在しない(と思う)ので、それだけでも観る価値はある。

 

<超個人的な見どころ>

  • ジョージ・ブッシュ前アメリカ大統領を思わせるような、無鉄砲でちょっとおバカちゃん風にヴィルヘルム2世が描かれているのが面白い。
  • ビスマルクがいつも怒鳴っているガンコ爺に描かれているのも笑える。
  • レーニンを演じるPatrick Stewartがまさに超適役。(彼は『この私、クラウディウス』にもセイヤヌス役で出ている。)

 

まとめ

三部に分けてこのブログで紹介した作品以外にもジェイン・オースティンやチャールズ・ディケンズの名作本をドラマ化したものなど沢山ある。

 

イギリスの歴史ドラマの世界はハマる価値がかなりあると思うし、これからどんな作品が出てくるのか楽しみだ。